「医療を止めない」
責任感を持ち、
徹底した準備で挑む
私が担当しているのは、医療機関の診療を支える「内視鏡業務支援システム」の導入と、医療機関ごとの要望に合わせたカスタマイズ対応です。クライアントは全国の医療機関で、出張は多い月で月に半分ほど。要件のヒアリングから開発、テスト、納品、稼働後の立ち会いまで一貫して関わっています。
扱うシステムには患者さんの情報も含まれており、医療現場で直接使用されるものです。万が一システムにトラブルが発生すれば、診療が止まってしまったり、会計処理が正常に行われなかったりと、医療現場に重大な支障をきたしかねません。だからこそ、仕事をする際には、常に緊張感を持って取り組んでいます。
納品作業は、診療が行われない土日や年末年始などに行うことが多く、救急を受け入れている病院では、数時間しか作業時間が取れないことも。限られた時間の中で確実に作業を完了させるためには、事前準備が何より重要です。各工程の手順と所要時間をあらかじめ計測したうえで、作業内容を細かくスケジューリングします。「次に何をやるか」と現場で迷うことがないよう、何度もシミュレーションを行います。入念に準備することが、現場での作業時間短縮と、システムの品質の低下防止につながると考えています。
体力的にきつい場面もありますが、システムが無事に稼働し、ドクターから「前より使いやすくなった」と言っていただけたときの嬉しさは格別です。検査がスムーズに行われている様子を確認できたときには、大きな達成感があります。休日に納品作業を行っていると、看護師さんから「お疲れさま」と言っていただき、お菓子やコーヒーを差し入れていただくこともあり、そうした温かさにも励まされています。
「やってみよう」と
一歩を踏み出せる人なら
成長できる環境
入社前と入社後を比較すると、プログラムのスキルは上達を実感しています。正直に言えば、学生時代はプログラミングが得意ではありませんでした。課題も最低限こなすのがやっとで、周囲と比べて自分に何ができるのか、手応えも持てずにいました。そんななか、入社して間もない頃に、あまり良くない評価が人づてに伝わってきて、期待に応えられていないことを痛感しました。悔しさと情けなさが入り混じるような感情でしたが、それが私にとって大きな転機になりました。
「少しでも認められたい」。その一心で、本や雑誌を手に取り、コードを写してはプログラムを動かすという小さな学びを積み重ねていきました。特別なことは何もしていませんが、目の前の仕事を一つひとつ丁寧にやり続けただけ。それでも、気づけば自然と知識が身についていきました。今でも勉強は続けていますし、データベースやネットワークといった幅広いITスキル、会社が推奨する資格取得にも挑戦しています。
これまで、医療系のシステムを中心に20年以上携わってきましたが、今後は別の業界の案件を担当する可能性もあります。業界が変われば、求められる知識も価値観も変わります。「どこの現場に行っても通用する人材」を目指して、これからも学び続けたいと考えています。
もしこの業界に興味があるけれど、プログラムスキルに不安を感じている方がいるなら、大丈夫です。最初から完璧な人なんていませんし、知識は就職してからいくらでも身につけられます。よく「C言語が書けます」「Javaが使えます」というように、スキルが話題になりますが、それまでに身につけた言語が実際の現場で生かせるとは限りません。だからこそ、必要なのは、「やってみよう」と思えるかどうか。その一歩を踏み出せる人なら、どんなスタート地点からでも成長できる環境がここにはあります。かつての私がそうだったように、これからこの業界を目指す方にもチャンスをつかんでほしいです。